自炊するときに鍋があると、さまざまな料理に活用できます。
文字通り鍋料理もできれば、炒め物や焼き料理、さらに煮物も対応可能です。
さらにパスタやソバなどの麺類をゆでるときにも重宝するので、とくに一人暮らしで自炊を検討しているなら、鍋は一つ確保しておきたいところです。
しかし鍋を使い続けると、焦げ付きが目立つようになって、洗ってもなかなか落ちないことも。
鍋で自炊しようと思っている人のために、鍋の焦げ落とし方法についてここで紹介します。
材質別・鍋の焦げ落としの基本的な方法
鍋が焦げ付いた場合、正しい洗浄方法で焦げを落とす必要があります。
ただし鍋の材質によって、焦げ落としの方法が微妙に異なるので注意が必要です。
鍋の焦げを落とそうと思ったら、自分の使っている鍋が何製か確認しておきましょう。
ここでは以下で紹介する主要な材質の焦げ落とし方法について紹介するので、参考にしてください。
- ステンレス鍋
- ホーロー鍋
- アルミ鍋
- 鉄鍋
- 土鍋
ステンレス鍋
ステンレス鍋の焦げ落としでは、重曹もしくはクエン酸を準備してください。
肉や油の焦げ付きには重曹、野菜などはクエン酸で対応するのが基本です。
クエン酸がなければ、お酢で代用できます。
具体的な手順は、以下の流れで作業しましょう。
【重曹の場合】
- 焦げの部分を覆えるくらいに水を鍋に入れる
- 重曹を投入する（水200mlに対し大さじ1杯）
- 弱火で加熱し、沸騰してから10分間そのままにする
- 10分経過したら火を止め、半日そのままで放置
- スポンジで焦げを落とす
【クエン酸の場合】
- 焦げの部分を覆う程度に鍋に水を入れる
- クエン酸もしくはお酢を投入する（水200mlに対しクエン酸大さじ+小さじ1杯ずつ）
- 10分間沸騰させる
- 加熱後台所洗剤で洗う
重曹を入れる際には、加熱前に入れるのを忘れないでください。
もし沸騰した後で重曹を入れると、吹き出す危険性があるからです。
ステンレス鍋を使っていると、白く変色しがちです。
ステンレス製の鍋は水垢の溜まりやすいところがあります。
水垢にも重曹は有効と言われているので、ステンレス鍋を購入するなら重曹も用意しておきましょう。
ホーロー鍋
ホーロー鍋は見た目が良いですし、保温性にも優れているので近年人気の材質です。
ホーロー鍋の焦げ落としの際には、重曹を用意してください。
重曹をスポンジにつけて、こすって落としましょう。
スポンジは柔らかめのものの準備してください。
ここでポイントなのは、ホーローは強くこすると傷がつく点。
またクレンザーのような粒子の粗い洗剤やスチールたわしも使用するのは厳禁です。
ホーロー鍋は金属の表面にガラス質をコーティングして作られています。
強くこすってしまうと、ガラスに傷がついてしまいます。
傷ができると傷の凹みに焦げが付着して、より焦げ落としが難しくなるわけです。
具体的な手順は以下の通りです。
- 鍋を水で浸し重曹を入れてから加熱（水500mlに対し重曹大さじ2杯）
- 沸騰してから10分程度加熱し、お湯が冷めたらシンクに捨てる
- 柔らかいスポンジで拭き取る
アルミ鍋
アルミ鍋の焦げ落としには、クエン酸を使用しましょう。
アルミ鍋と重曹の相性はよくありません。
重曹はアルカリ性のため、アルミ鍋で使用すると変色する恐れがあるからです。
ステンレス鍋の焦げ落としの手順は以下の通りです。
- 鍋に水を入れ、クエン酸を投入する（水200mlに対しクエン酸大さじ1杯）
- 沸騰したら10分間弱火でそのままにする
- お湯を捨てたら、スポンジでこする
中にはスポンジでこすってもなかなか落ちないしつこい焦げもあるでしょう。
その場合にはスチールたわしなどを使用しても問題ありません。
鉄鍋
鉄鍋は耐久性に優れるので、中長期で使用する鍋を探しているのであればおすすめです。
鉄鍋の焦げ落としの基本は、空焚きです。
水に触れるとさび付く特性を活かし、空焚きで焦げを炭化させて落とすアプローチになります。
鉄鍋の焦げ落としの手順は以下の通りです。
- 強火で煙が出るまで空焚きする
- 鍋が冷めたところでスチールたわしやへらなどで焦げをこそぎ取る
- 水で洗い流して、再度加熱して水分を飛ばす
- 食用油を塗って空焚きする
鉄鍋は頑丈なので、スチールたわしやへらでゴシゴシこすっても傷つくような心配はありません。
水で洗ってそのままにするとさび付く恐れがあるので、加熱で水分を飛ばすのは忘れないようにしましょう。
土鍋
ご飯を炊くのにこだわったり、鍋料理をしばしば作ったりするのに適しているのが土鍋です。
基本的な土鍋の焦げ落とし方法は、水とスポンジもしくはたわしだけでOKです。
- 2～3時間鍋の中に水を入れて、そのまま放置
- たわしもしくはスポンジで焦げを取り除く
これだけで焦げが落とせなかった場合には重曹もしくはクエン酸を準備しましょう。
- 焦げをカバーできるくらいの水を鍋の中に入れる
- 重曹もしくはクエン酸を投入（水200mlに対して大さじ1杯）
- 加熱し沸騰したら火を止める
- お湯が冷めたところでこすり洗いする
土鍋を洗う際に使ってはいけないのが、洗剤です。
土鍋には細かな穴があるので、その中に洗剤がしみ込んでしまいます。
もし洗剤をどうしても使わなければならないのなら、少量にて短時間で洗うように心掛けましょう。
鍋が焦げ付かないための調理のポイント
鍋は正しく焦げ落としを行えば、しつこい焦げも取り除けます。
しかしできることなら、鍋を焦げ付かせたくないでしょう。
そのためには日ごろ焦げ付きを起こりにくくなる調理のコツを押さえましょう。
そもそも鍋が焦げ付く原因とは？
鍋が焦げ付く原因は、主に2つです。
火力が強すぎる、敷く油の量が少なすぎるの2つです。
この2つのポイントを避けて調理すれば、なかなか鍋に焦げは付きにくくなります。
弱火・中火をメインに
火力が強すぎると焦げを誘発しやすくなるので、調理する時には弱火や中火をメインにしましょう。
中にはレシピに「強火で炒める」のような指示があるかもしれません。
しかし鍋の材質で熱の伝導方法には違いがあります。
強火で調理して「火力が強すぎるのでは？」と思ったら、火力を速やかに調整しましょう。
油の量を意識する
中にはカロリーを気にするあまり、油をあまり使わないで調理しようと思う人もいるでしょう。
しかし油を使わなすぎると焦げ付きやすくなるのは、先に紹介した通りです。
加熱している時に食材が鍋にひっつくのであれば、油が不足しています。
カロリーのことはいったん気にせず、ある程度の油を使用しましょう。
また油を入れてすぐに食材を投入するのも、おすすめできません。
鍋の温度が十分でないと、とくにでんぷんやたんぱく質が鍋底に付着して、焦げの原因となるからです。
油を投入して、鍋が温まるのを待ってから食材を投入しましょう。
冷えたまま食材を投入しない
冷蔵庫から取り出した食材をそのまま鍋に投入すると、焦げ付きの原因となります。
食材が冷えているので鍋も冷えてしまい、食材とくっつきやすくなるためです。
冷蔵庫の中にあった食材は調理前に取り出して、常温に戻しておきましょう。
肉や魚を調理する際に常温に戻しておかないと、焼きムラができてしまいます。
水分は飛ばしておく
鍋が濡れた状態で調理をすると、食材がくっつきやすくなります。
食材に含まれるたんぱく質が水に溶けてしまうからです。
とくにたんぱく質を多く含む肉や魚を調理する際には、あらかじめ鍋を加熱してください。
そして十分に水分の飛ばせたところで、食材を投入しましょう。
まとめ：材質別の正しい焦げ落とし方法をマスターしよう
鍋が焦げ付いてしまっても、正しい方法で焦げ落としすればまたきれいな状態に戻せます。
ただし材質別に、正しい焦げ落としの方法が異なるので注意してください。
また鍋が焦げ付きやすいのは、調理方法に問題があるからかもしれません。
火力が強すぎたり、使用する油の量が少なすぎたりしていませんか？
一度自分の調理方法を見つめ直してみましょう。
焦げ付きにくい鍋を探しているのであれば、ル・クルーゼの鍋を使用するのも一考です。
ル・クルーゼはホーロー製の鍋なので、保温力に優れています。
均等に熱が伝わるので、焦げにくいとして評判だからです。
ル・クルーゼの鍋の特徴は、こちらでも詳しく紹介しています。
ル・クルーゼの鍋は鋳物でホーロー加工されているのが特徴。
鋳物で継ぎ目が一切ないので丈夫です。
ホーロー加工によって酸やアルカリにも反応しにくいので、痛みも起こりにくいところがあります。
長く愛用できる鍋を探しているのであれば、ル・クルーゼの鍋を購入するのも一考です。