YouTubeやSNSには、多くの情報があふれています。しかし中には、信頼性に欠けるものや、極端な意見、偏った主張をそのまま信じてしまう人も…。この記事では、特に年配の方に見られる「YouTubeを鵜呑みにする人」への対処法を、心理面・コミュニケーション面・実践テクニックに分けて解説します。
なぜYouTubeの情報を信じきってしまう人がいるのか？
そもそも、なぜ人は「誰でも発信できるYouTube」の情報を過信してしまうのでしょうか？
テレビ離れとYouTube信仰の関係
近年、テレビよりもYouTubeを好む人が増えてきました。特に年配層は「テレビ＝偏向報道」「YouTube＝真実を暴くメディア」と考える傾向があり、信じやすくなる心理構造があります。
「見たことがある」という安心感
視覚と聴覚に訴える映像は、人に強い印象を与えます。論文や文字の情報よりも、「映像で見たから間違いない」と錯覚してしまうのです。
専門用語や権威の錯覚
動画内で専門用語や医療・科学っぽい話が出ると、それだけで「正しそう」と感じてしまう傾向があります。さらに「元〇〇医師」や「〇〇大学出身」といった肩書きも、無条件で信頼してしまう原因の一つです。
過信してしまう人の心理的特徴
YouTubeを過信する人の心理には、以下のような特徴が見られます。
孤独感や不安の裏返し
特に高齢者の場合、社会との接点が少なくなり、不安や孤独感を抱えています。そんな中で「自分だけが知っている真実」を得られると、自尊心を満たす手段になり、依存してしまうのです。
承認欲求の裏返し
「みんなが知らない真実を自分は知っている」とアピールしたくなる心理です。結果的に、動画内の情報を友人や家族に語りたくなり、正しさを強く主張してしまいます。
自己肯定感の低さ
「自分は賢い」と思いたい気持ちが強く、「騙されているのは周りの人で、自分は騙されていない」と信じ込んでしまう傾向があります。
YouTube情報を鵜呑みにする人への5つの具体的な対処法
では、実際に身近にそういった人がいた場合、どう対応すべきでしょうか？以下の5つの方法が効果的です。
否定しない。まずは「受け止める」
真っ向から否定すると、逆効果です。「そんなのウソだよ」と言えば言うほど、本人は「やっぱり反発された。やっぱりあれは真実なんだ」と感じます。まずは話を聞き、感情を落ち着かせることが大切です。
「複数ソース」を提案する
YouTube動画だけでなく、新聞や公的機関の資料、信頼できる医師の解説など、別の情報源をさりげなく提示しましょう。「他の意見も見てみようよ」と促すことで、視野を広げるきっかけになります。
一緒に検証する姿勢を持つ
「ほんとかな？一緒に調べてみようよ」と共にリサーチすることで、対立ではなく“共通の探求”というスタンスを取れます。この方法は特に親子間などの信頼関係がある場合に有効です。
検索スキルを教える
Googleでの検索の仕方、信頼できるサイトの見分け方を、優しく教えてあげましょう。例えば、.go.jpや.ac.jpドメインは比較的信頼性が高い、Wikipediaは参考程度に…など、基本から伝えると良いです。
「教える喜び」を奪わない
YouTube情報を話したい人は、「人に教えることで承認されたい」気持ちが強いです。頭ごなしに否定せず、「そうなんだ！初めて知った！」などとリアクションを入れた上で、「それと似た情報も見たよ」と追加していくのがベターです。
間違った情報に引っかからないための予防策
そもそも、そうならないために予防することも重要です。
「リテラシー教育」は今こそ必要
インターネットリテラシーの基本は、若者だけでなく年配者にも必要です。特に今は情報過多の時代だからこそ、「疑う力」を育てることが求められます。
地域や家族ぐるみで対話する機会を作る
孤立させないことが大切です。日常的に会話の中で「それ本当？」と気軽に聞ける関係性があれば、過信に走るリスクを抑えられます。
テレビや書籍など、幅広いメディアに触れる
YouTubeだけに偏ることなく、書籍・テレビ・新聞などにも日常的に触れるよう促すことで、偏りを少なくできます。
それでも通じない時の最終手段
感情ではなく“数字”で伝える
医学的なデマや陰謀論に関しては、「厚生労働省の発表によると～」など、具体的な統計データや公的資料を活用して伝えると説得力が増します。
“誰が”ではなく“何が”正しいかを問いかける
「〇〇さんが言っていたから正しい」ではなく、「この情報は事実に基づいているのか？」と問いかける習慣を作るよう促しましょう。
距離を取ることも必要
それでもまったく聞く耳を持たない、家族関係に支障が出るレベルなら、少し距離を置くことも自分を守る手段です。無理に変えようとしてもストレスが溜まるだけです。
まとめ：情報リテラシーは家族ぐるみで育てる時代
今や誰もが発信者になれる時代。だからこそ、「情報の正しさを見極める目」は、年齢に関係なく必要なスキルです。身近な人がYouTube情報を鵜呑みにして困った時は、否定せず、寄り添いながら軌道修正を促すことが最も効果的です。
正しい知識と冷静な判断力を、家族全体で育てていきましょう。
このような人ってこちらが話しても素直に聞き入れないですよね…
