
あなたの職場や家庭、あるいは学校や友人関係の中に、こんな人はいませんか?
「自分がミスをしたときは言い訳ばかり。でも、他人のミスには鬼のように厳しい」
「自分のことは棚に上げて、やたらと他人をジャッジしてくる」
「感情的に怒ってくるくせに、自分が感情的になったときは『それくらい普通』と開き直る」
この記事では、そんな「他人に厳しく、自分に甘い人」の心理的特徴を掘り下げながら、被害にあいやすい優しいあなたが心を守るためにできることをお伝えしていきます。
なぜあの人は他人にばかり厳しいのか?
1. 心の奥にある「劣等感」の裏返し
自分に甘く、他人に厳しい人の多くは、実は自信がない人です。
一見強気に見えるかもしれませんが、内面には「自分は価値がないのではないか」「人に負けたくない」という深い劣等感が隠れていることがあります。
その不安を打ち消すために、無意識に「他人の粗探し」をしてしまい、「自分よりダメな人」を見つけることで安心しようとしているのです。
2. 自己愛が強すぎる「自己愛性パーソナリティ」傾向
心理学では、他人に対して異常に厳しく、自分にだけ甘い人の中には自己愛性パーソナリティ障害(自己愛型人格)の傾向を持つ人もいます。
このタイプは、他人からの評価に過敏で、自分の欠点を認めることができません。だからこそ、「自分は常に正しい」という思い込みを支えるために、他人を見下し、責め立てるのです。
彼らにとって他人は「称賛のための存在」か「攻撃対象」のどちらか。対等な人間関係を築くことが苦手です。
3. 「投影」としての攻撃:自分の嫌な部分を他人に見る
他人に厳しくする行為は、実は自分が嫌っている自分自身の一部を、他人に映し出しているという可能性があります。
これを心理学では「投影」と呼びます。
たとえば、自分が本当はサボり癖を持っているのに、それを認めたくない人は、「ちゃんとやってない人」や「少しでも手を抜いた人」を見つけては、過剰に責めたててしまうことがあります。
それは、まるで「自分の中の嫌な部分」を、他人を通して裁いているような状態。本人も無自覚なことが多いため、こちらが説明しても理解されにくいのがつらいところです。
あなたは悪くない。責められたあなたの気持ちに寄り添いたい
理不尽な言葉に傷ついてしまったあなたへ
誰よりも真面目に取り組んでいた。
一生懸命、空気を読んで、相手の機嫌を損ねないようにしていた。
でも、それでも言われた。「なんでそんなこともできないの?」「ちゃんとやってよ」と。
そんな言葉に、あなたがどれほど傷ついたか、どれほど無力感を覚えたか、私は想像できます。
理不尽な厳しさを受けたとき、人は自分を責めてしまいがちです。「私が悪かったのかな」と。でも、それは違います。
問題なのは、他人を責めることでしか自分の存在価値を保てないその人なのです。
あなたは、自分を責める必要なんて一切ありません。
優しい人ほど、標的にされやすい
不思議なことに、こういった「自分に甘く他人に厳しい人」は、優しい人・真面目な人・反論しない人をターゲットにする傾向があります。
それはまるで「この人なら怒っても受け止めてくれる」と、甘えているかのよう。いや、一方的に傷つけている時点で甘えではなく暴力です。
あなたが優しいのは、決して弱さではありません。むしろ、相手の未熟さを受け止めてあげられるほど大きな心を持っているという証です。
では、どう向き合えばいいのか?心を守る3つの方法
1. 心理的距離を置く:物理的にも精神的にも「離れる」
まず大切なのは、その人の言葉を真に受けないこと。
「また始まったな」と、どこか冷めた視点を持つように意識してみましょう。
さらに可能であれば、物理的に距離を取るのも効果的です。職場なら席を変える、プロジェクトを変えてもらう、在宅勤務を希望するなど、工夫できる余地はあります。
2. 第三者に相談する:1人で抱えない
「また大げさって言われるかも」「私が我慢すればいいだけかも」——そんなふうに思っていませんか?
でも、我慢しすぎると心のエネルギーは確実に削られていきます。
上司や信頼できる同僚、家族や友人、あるいは外部の相談窓口など、安全に話せる場所を見つけてください。
話すことで、自分の心のモヤモヤが整理され、冷静な対応も取りやすくなります。
3. 「この人は変わらない」と割り切る勇気を持つ
最も重要なことは、「この人は変わるはず」「きっとわかってくれる」という期待を手放すことです。
他人を変えることはできません。変えられるのは、自分の「接し方」や「距離の取り方」だけです。
あなたが頑張っても、相手が変わらないのなら、それはあなたのせいではありません。
まとめ:あなたの心を大切にできるのは、あなた自身だけ
他人に厳しく、自分に甘い人は、周囲にストレスや不快感を与えながら、無自覚のまま人を傷つけてしまうことがあります。
しかし、その攻撃性の裏には、深い劣等感や未熟さが隠れていることが多いのです。
あなたが傷つく必要はありません。あなたは十分に頑張っているし、責められる筋合いなどどこにもありません。
まず第1に自分の心を守ってください。
距離を置く勇気、相談する勇気、自分を大切にする決意——それこそが、理不尽な世界からあなた自身を守る最初の一歩です。
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